谷口 絢子
リーダー・パーソナルコーチ/Personal Coach for Leaders
職場でも家庭でも、頼られる立場にいる人に向け、自分自身を深く理解し、自分の意思で人生や仕事をつくっていくための対話をしています。
この仕事の土台には、公務員としてチームのリーダーを務めていた頃の経験があります。
当時、仕事ぶりの評判が芳しくなかったチームメンバーがいました。
締め切りが守れない。ミスが多い。必要な報告がない……。
正直、最初は「何も任せられない」と困っていました。
けれど、一緒に働くうちに、彼女が変わっていったのです。
自信を持てる仕事を見つけ、彼女を信頼しようとするメンバーに支えられながら、彼女は生き生きと働くようになりました。どんどん自信をつけ、いつの間にかチームに欠かせない一人になっていました。
私が意識していたのは、
彼女への信頼が伝わるように関わること。
そして、彼女自身が自分の得意なことや苦手なことを理解できるよう、一緒に考えることでした。
私は彼女の姿から、人が力を発揮し、成長していくうえで、自分への理解と周りとの信頼関係がどれほど大切なのかを教わりました。
今見えている姿だけでは、その人の可能性はわからない。
きっかけや周囲との関係によって、人は変わり、チームも変わっていける。そう実感した経験でした。
ところが、そんなふうに育ってきたチームとの信頼関係が、大きく揺らぐ時期が訪れます。
きっかけは、コロナ禍による職場の混乱でした。
チームの意見が割れ、耳に届くのは不満ばかり。
自分の判断にも、伝え方にも、メンバーからの信頼にも、自信を持てなくなっていきました。
メンバー同士の雑談さえ、自分への不満を話しているように感じてしまう。
それまでの私には、想像したこともなかった状態でした。
次第に、メンバーに対する言葉が厳しくなり、表情もこわばり、そっけない態度を取るようになっていました。そうした私の変化も、チームの雰囲気や信頼関係に影響していたと思います。
理解してくれる上司やメンバーも、私生活で支えてくれる人もいました。それでも、苦しさはなかなか変わりませんでした。
「自分が変わらないと」
そう思うものの、どう変わればいいのかわからない。
当時、私はすでにコーチングを学び、自分自身もコーチングを受けていました。この苦しさの根に自分の恐れがあることにも、気づいてはいました。それでも、感情が大きく揺さぶられているさなかで、自分に何が起きているのかを言葉にしきることはできませんでした。
私自身も傷つき、怖さを抱えていたのです。信頼されていないと感じる中で、私も周りを信頼できなくなっていました。
かつては、メンバーの力を信頼し、その信頼が伝わる空気をつくれていた。それが、難しい状況の中で、できなくなっていたのです。
そう言葉にできるようになるまでには、時間がかかりました。
周りにどう接するかを考えるだけでなく、自分が何に傷つき、どんな気持ちを抱えているのかを理解すること。周りを支える自分自身も、支えられること。
この経験から知ったその大切さが、今のコーチとしての関わりにつながっています。
対話では、日々の出来事を入り口に、何を感じ、何を恐れ、本当はどうしたいのかを一緒にひもときます。そして、自分が何をどう受け止め、周りとどう関わっているのかを見つめていきます。
自分への理解が深まると、相手の事情や思いにも目を向けられるようになります。そのうえで、何を選び、どう伝え、どう働きかけていくのか。具体的な行動や会話まで、一緒に考えます。
大切にしているのは、人の気持ちを理解することと、現実をよりよくすることを、ひと続きに扱うことです。
対話を通じて、その人自身が幸せに生きることと、周りの人とよりよい仕事や関係をつくることを、ともに支えていきたいと思っています。
一人ひとりが持っている力を使う喜びを感じながら、人とともに何かをよくしたり、新しいものを生み出したりしている。
そんな、明るく、楽しく、面白い場が、暮らしや仕事、組織や社会に広がっていくことを願っています。
経歴・資格
- 同志社大学 経済学部卒業
- 自治体に11年間勤務
- 2021年にコーチング事業で独立
- コーチングセッション累計3,300時間超
- 全米NLP協会認定マスターコーチ